清華大学(中国)とKTH(スウェーデン王立工科大学)での大学院留学記

2018年夏からKTH(スウェーデン王立工科大学)と清華大学(中国)にて修士課程に留学している日本人のブログです。あくまで個人の意見や感想であり、所属団体とは一切関係ありません。

【KTH】DD 修了要件について

今回は,ダブルディグリープログラム(DD)の修了要件をご紹介します.

 

私は東北大学では工学系に所属しており,KTHではSchool of Engineering Science (SCI)に所属する予定です.KTH各学科の修了要件はKTH ウェブサイトから以下のようにページ移動すると見つけることができます.

 

KTH ウェブサイト

 ↓

Studies(Study at KTH)

 ↓

Exchange studies >> Double degree

※ PC版サイト

www.kth.sewww.kth.se

 

 

修了要件をチェック!

各学科によって修了要件は少し異なるので,皆さんは自身が所属する学科の修了要件を参照して下さい.例として,私が所属予定の Vehicle Engineering 学科の修了要件を見てみましょう.

 

≪Requirement≫

① Technical courses on advanced level 60 ECTS

② Degree project 30 ECTS

③ Swedish courses 30 ECTS

※ ECTS=European Credit Transfer System(日本でいう単位です).

  因みに,hpと表記されることもあり,1 hp=1 ECTSです.

 

となっていますね.目安としては,だいたい1科目 7.5ECTS 前後です.

KTH ウェブサイトの中で,DDの修了要件を記している箇所はココのみです(*1).

 

また,最初の項目に

An approved Learning agreement/Study plan. Any changes during your studies must be approved by the programme director.

とありますね.コレはあまり気にしなくて良いです.program directorの方は優しいですし,Study Planに不備がある場合等はメールで知らせて下さいます.

 

ココまでの情報は,KTHのウェブサイトを見るだけで把握できますね.ここからは,私の補足を付け足していきます.

 

 

 

ー 補足 ー

① Technical courses on advanced level 60 ECTS

 

専門科目のことです.

Advanced levelの判断方法は2パターンあります.

 

例として,Fluid Mechanicsという科目を見てみましょう.

SG2214 Fluid Mechanics 7.5 credits | KTH

 

Education cycleという項目に注目して下さい.Advanced levelとは,Second Cycle 以上ということです.数字が大きくなるほど,レベルが上がります.

 

  [Basic] First < Second < Third [Advance]

 

また,科目の Course unit code の最初の数字が2なら,Second Cycle ということですので,Course unit code からも判断できます(SG2214).

 

しかし,一部の科目は Second Cycle 以上でも,上級コースに認められないので注意です.

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~ Coordinatorからのメールを抜粋 ~

Courses like AK2036 Theory and Methodology of Science with Applications (Natural and Technological Science) 7.5 credits cannot be part of the technical courses. You can only have it as an extra course.

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そうは言っても,私達には判別できない科目もあるので,あまり神経質になっても仕方がありません.もし間違っていたら,KTHの Coordinator に正してもらえば良いことです.

 

次の注意点は,1つの学科から最低でも 42 ECTS 以上の科目を選択する必要があるということです(Vehicle Engineering 学科の場合).私の場合で言うと,Vehicle Engineering から 42ECTS 以上の科目を選択する必要があるということです.逆に言うと,最大 18 ECTS は他学科であっても,興味のある科目を選択できるということです.因みに,Vehicle Engineering に所属している学生は,Engineering Physics からも選ぶ人が多いみたいです.好きなように科目を選択しましょう!

 

他にも,DD生の場合,60ECTS分の科目に加え,Extra として,さらに1科目分,科目を履修することができます.この Extra として申請する科目は,全単位数が 127.5 ECTS 以下に収まっていれば,特に指定はありません.First Cycleの科目も登録できます.

 

繰り返し述べますが,もしStudy Planが上記に従っていない場合は,KTH の Coordinatorがチェックした後に,連絡して下さいますので,特に心配する必要はありません.なので,授業履修計画は神経質になり過ぎず,大まかに練っておくことをオススメします.勿論,最初から詳細まで計画できることに越したことはありません.

 

 

*1 について≫

KTH ウェブサイトには,正規修士学生 / DD学生向けの情報が錯綜している部分があるので,私が気になった点を以下にメモしておきます.

 

◆ 1semester で 30ECTS(1period で15 ECTS)までしか履修できない,という制約が記されているページがありますが,これは恐らく「正規修士学生」や「学位取得を目的としない交換留学生」に向けた文言です.DD生の場合,1年半で単位取得を完了させる必要があるので,履修単位数に制約はありません.1period で 15 ECTS を超えてしまうこともありますが,心配はいりません.

 

◆ 私の専攻を例に,Double degree のページから,

Vehicle Engineering

→ Engineering Mechanics

→ Programme syllabus for studies starting in autumn 2018

Master's Programme, Engineering Mechanics, 120 credits (TTEMM), Programme syllabus for studies starting in autumn 2018, Study year 1 | KTH

と進み,私の専攻であるFluid Mechanics track を見てみましょう.

 

Mandatory courses + recommended courses + conditionally elective courses

= at least 70 hp.

 

と記されています.しかし,このページの要件は正規修士学生向けに記されています.もしも最低 70 hp(70 ECTS)も専門科目を取れば,科目数が多過ぎて1年半では留学完了など到底不可能です.

 

よって,DD生に関係があるのは科目リストのみとなり,Mandatory courseを全て履修する必要もありません.私達DD生は,Second Cycle 以上の専門科目から最低 60 ECTS を取得すれば良いのです.

 

紛らわしいですが,*1については,今このタイミングで把握しておきましょう.他学科でも同様の疑問が生じてくるはずですが,DD生は疑問が生じたタイミングでKTHのCoordinatorにメールを送ってみましょう.

 

 

② Degree project 30 ECTS

日本でいう修士研修のことです.

留学期間の最後に,研究活動を約20週間行い,結果をまとめて論文執筆し,KTHで発表します.KTHに提出した論文はネットで公開されるみたいなので,頑張りましょう! 発表するためには,試験官を見つけなければいけないので,試験官を引き受けて下さる指導教員も探さないといけません.私の場合は,指導教員@東北大学の先生に,KTHの先生をご紹介して頂き,メールで連絡を取っています.

修士研修は約20週間行いさえすれば,KTHで研究しても,他大学で研究しても,企業に所属・インターンして研究を行っても構いません.最後に,KTHに戻って来て,発表すれば良いみたいです.

 

(他記事で,詳しく記そうと思います.)

 

 

③ Swedish courses 30 ECTS

スウェーデン語の講義を4科目分 Pass せよ,ということです.

 

DD生には,スウェーデン語の単位取得が課せられます.

  • Swedish A1 for Engineers 7.5 ECTS
  • Swedish A2 for Engineers 7.5 ECTS
  • Swedish B1 for Engineers 7.5 ECTS
  • Swedish B1/B2 for Engineers 7.5 ECTS

で計 30 ECTS です.この4科目を Pass することで,所謂レベル4達成ということになります.

 

私の場合を例に挙げますが,大半のDD生は同様のスケジュールになるのではないでしょうか.

  • Swedish A1    夏期集中講義(Insentive August) 2018年8月
  • Swedish A2    Autumn term 2018年8月27日 ~ 2018年12月中旬
  • Swedish B1    Spring term 2019年1月中旬 ~ 2019年6月初週
  • Swedish B1/B2 春期集中講義(Insentive June) 2019年6月

留学期間を1年半で完了させたい場合は,夏期集中講義の Swedish A1 から講義履修することになるでしょう.因みに,スウェーデン語の講義は正規修士学生には課せられず,DD生のみに課せられます.噂で聞きましたが,KTH 側は授業料無料で交換留学生を引き受けることになるため,交換留学生にはスウェーデン語を覚えてもらって,スウェーデンで働いてもらうことを想定しているようです.もし本当なら太っ腹です.スウェーデン語に習熟している方は,初級レベルの科目を履修せず,よりレベルの高い科目へ切り替えることもできるそうなので,問い合わせてみて下さい.

 

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以上が修了要件です.2018年春には,Study Planを作成し,KTHへ提出することになります.もう一度,確認しておくと,Study Planに組み込める単位数のうち,DDに関連する科目は最大 127.5 ECTS と定められています.ただし,英語等の語学に関する講義(Language courses)を受講する場合は,127.5 ECTS の単位制限にはカウントされません.

 

講義ははじめの約11ヶ月で完全に履修完了し,約2ヶ月の長期休暇を挟んで,最後の約5ヶ月間は Degree Project に集中するというのが望まれている形です.私も約1年半で完了するようにスケジュールを組んでいきたいと思います.